曇り止めフィルム

曇り止めフィルム製品のご案内

セルロース系のフィルムおよびシートを強アルカリ溶液に浸して表面を化学変化させると、強力な曇り止め能力を有するフィルム及びシートを制作することが可能です。
合樹産業株式会社では、上記のセルロース系曇り止めフィルム及びシートを、少量多種にわたり取り扱っております。

製品名 最大製品サイズ 製品カット処理 最小取扱数量
LUCKY社 防曇処理TAC190μ 640mm×450mm 可能 1枚
LUCKY社 防曇処理TAC270μ 640mm×450mm 可能 1枚
T社(日本)製 防曇処理CAP350μ 640mm×450mm 可能 1枚
T社(日本)製 防曇処理CAP500μ 640mm×450mm 可能 1枚
T社(日本)製 防曇処理CAP1000μ 640mm×450mm 可能 1枚

製品ナンバー①②のロール状態での防曇処理についてはご相談ください。

曇り止め能力試験結果

記載の試験結果は、公立の研究施設で行いました試験結果を記載いたしております。

試験方法

1,800mlの蒸留水を入れた2Lのビーカー(ガラス製)を50℃の恒温水槽に入れ、蒸留水が50℃に達した後、それぞれの製品で蓋をした。製品で蓋をした後、製品に曇りが発生するまでの時間及び水滴が付着するまでの時間を目視により計測した。但し、ビーカーの注ぎ口から水蒸気が漏れないように措置し、恒温水槽は「タイテック社製 H-10・SH(温度調整制度±0.1℃)」を使用した。

試験結果

製品名 曇り発生までの時間 水滴発生までの時間 試験日
LUCKY社 防曇処理TAC190μ 曇りなし 8分40秒 2016年2月
LUCKY社 防曇処理TAC270μ 曇りなし 9分16秒 2015年9月
T社(日本)製 防曇処理CAP350μ 曇りなし 9分6秒 2015年3月
T社(日本)製 防曇処理CAP500μ 曇りなし 9分42秒 2015年3月
T社(日本)製 防曇処理CAP1000μ 曇りなし 7分15秒 2016年12月
曇り止めフィルム・シートの各種加工の例

合樹産業では、以下、各種加工を承っております。

大判曇り止めフィルム及び片面に粘着テープ貼付

カット及び片面に再剥離粘着加工

片面に再剥離粘着加工後、型抜き

曇り止め加工フィルムにて口許透明マスク製作

セルロース系フィルム及びシートの曇り止め工程と特性

1. 基材となるセルロース系フィルムおよびシートの特徴について

  1. セルロース系フィルム及びシートはパルプや綿を原料に製膜された製品で生分解性を有する為、環境に優しい。
  2. セルロース系フィルム及びシートは光透過性92%以上、屈折率が1.5以下と非常に光を大量かつ真っ直ぐに通す。
    (光透過率参考:ポリカーボネイト 87% / ポリスチレン 89%)
  3. セルロース系フィルム及びシートは光透過性92%以上、屈折率が1.5以下と非常に光を大量かつ真っ直ぐに通す。
    (光透過率参考:ポリカーボネイト 87% / ポリスチレン 89%)

2. セルロース系フィルム及びシートの曇り止め加工処理について

  1. セルロース系フィルム及びシートを高濃度アルカリ溶液に浸し表面をアルカリ処理します。
    この際に使用する高濃度アルカリ溶液はpH14以上の溶液を使用します。
  2. 高濃度アルカリ溶液の主材料は、苛性カリを使用しており、その取り扱いには非常に注意を要します。
    苛性カリは、強アルカリの製品であり、急性毒性物質、腐食性物質です。
    一般名は水酸化カリウム、化学式はKOH。
    苛性カリは、毒物劇物取締法の「劇物」に該当します。
  3. セルロース系フィルム及びシートを上記、高濃度アルカリ溶液に浸した後、高濃度アルカリ溶液を洗い流し、加工品を乾燥させます。
    この工程には、3時間半を要しますので、曇り止め加工処理は、短時間で大量に生産することが出来ません。

3. 曇り止め加工処理したセルロース系フィルム及びシートの特性

  1. 曇り止め加工処理を施したセルロース系フィルム及びシートの曇り止め能力は、時間経過によっても衰えることはありません。
  2. セルロース系フィルム及びシートは光透過性92%以上、屈折率が1.5以下と非常に光を大量かつ真っ直ぐに通す。
    (光透過率参考:ポリカーボネイト 87% / ポリスチレン 89%)
  3. セルロース系フィルム及びシート自体が吸水性を有しており長時間の使用でも表面に曇りが発生しません。
    但し、吸水性がある為に薄手のフィルムの場合、吸水面と非吸水面でフィルムの伸び率に差が出来、カール状に変  形する可能性があります。